Google検索が「質問に答えてくれる」ようになった!AIモードで変わる私たちの情報収集

Google検索が「質問に答えてくれる」ようになった!AIモードで変わる私たちの情報収集
2025年9月23日

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みなさん、最近Google検索で何かを調べたとき、「あれ?なんか違う」と感じたことはありませんか?そう、実はGoogleが静かに、でも確実に大きな変化を遂げているんです。2025年9月、ついに日本でも「AIモード」が本格始動しました。これまでの「キーワードを入力して青いリンクをポチポチ」という検索スタイルが、まるで人に質問するような自然な体験に変わろうとしています。

「教えて!Google先生」が本当に答えてくれる時代

昔から私たちは「Google先生に聞いてみよう」なんて言葉を使ってきましたが、実際にはGoogle先生は答えてくれませんでした。代わりに「この辺りに答えがありそうなサイトを10個並べておくから、自分で探してね」という感じでしたよね。

でも、AIモードは違います。まるで本当に賢い先生が隣にいて、「あ、それなら答えはこうですよ」と直接教えてくれるような感覚なんです。

例えば、これまでなら「東京 雨 傘 コンビニ」なんてキーワードを並べて検索していたのが、今度は「今度東京に行くんだけど、雨が降りそうな時はどこで傘を買えばいいの?」と自然に話しかけられるようになりました。そして、AIがちゃんと文脈を理解して、「東京なら駅構内のコンビニが便利で、特にセブン-イレブンは駅改札近くの店舗数が多く…」といった具体的で実用的な答えを返してくれるんです。

これって、まさに私たちが友達に相談するときの感覚に近いですよね。「ねえ、○○について教えて」と言えば、相手が背景まで汲み取って答えてくれる。そんな自然なやり取りが、ついに検索でもできるようになったんです。

20億人が使い方を変えた「検索革命」の正体

GoogleによるとAIモード導入後、なんと20億人以上のユーザーが検索の仕方を変えたそうです。20億人って、日本の人口の約16倍ですよ!これは単なる機能追加ではなく、まさに「検索革命」と呼べる大きな変化です。

その背景にあるのが「クエリファンアウト」という技術。これは、複雑な質問を受けとったAIが「この質問には複数の要素が含まれているから、まずはA、次にB、最後にCについて調べてみよう」と自分で考えて、段階的に情報を整理してから答えてくれる仕組みです。

人間が何かを調べるとき、実は頭の中で同じことをしていますよね。例えば「今度のデートプランを考えたい」と思ったら、「相手の好み」「予算」「場所」「時間」などを順番に考えて、最終的に「だったら○○がいいかも」という結論に至る。AIモードは、まさにそんな人間らしい思考プロセスを再現しているんです。

特に面白いのは、マルチモーダル対応という機能。写真を見せて「これと似たような服が欲しい」と聞けば、画像の内容を理解して適切な商品を提案してくれます。まるでショップ店員さんと話しているような感覚で、文字だけでは表現しにくいことも簡単に伝えられるようになりました。

便利さの裏にある「信頼性」という大きな課題

でも、ちょっと待ってください。こんなに便利になったAIモードですが、気をつけなければならないポイントもあります。

これまでの検索では、複数のサイトを見比べて「どの情報が正しいかな?」と自分で判断していました。でも、AIが最初から答えを教えてくれると、ついつい「AIが言うんだから正しいでしょ」と思い込んでしまいがち。

Googleもこの点を重要視していて、25年以上の検索ノウハウを活かしたセーフガード技術を導入しています。スパム対策はもちろん、情報の信頼性をチェックする仕組みも組み込まれているとのこと。でも、最終的に情報を使うのは私たち自身。AIの答えを鵜呑みにするのではなく、「この情報は本当かな?」という健全な疑問を持ち続けることが大切です。

特に健康や法律、金融関係など、人生に大きく関わる情報については、AIの答えを参考程度に留めて、必ず専門家に相談するという姿勢を忘れずにいたいですね。

また、AIが学習するデータには、どうしても偏りが含まれる可能性があります。例えば、インターネット上の情報は英語圏のものが多いため、日本特有の事情や文化的な背景が十分に反映されない場合もあるでしょう。そんな時は、AIの答えを出発点として、さらに日本の専門サイトや公的機関の情報も調べてみる、というバランス感覚が重要になってきます。

検索が変わると、私たちの「考え方」も変わる?

実は、検索方法の変化は単なる技術の進歩以上の意味を持っています。情報へのアクセス方法が変わると、私たちの思考パターンや学習スタイルまで変わってしまう可能性があるんです。

これまでは「知りたいことがあったら、まず検索して、複数のサイトを見比べて、自分なりに情報を整理して結論を出す」という一連のプロセスを踏んでいました。このプロセス自体が、実は私たちの批判的思考力や情報リテラシーを鍛える良い訓練になっていたんですね。

でも、AIが最初から整理された答えをくれるようになると、「自分で考えて判断する」という筋肉が衰えてしまうかもしれません。便利になる分、私たち自身の「考える力」を意識的に維持していく必要がありそうです。

一方で、面倒な情報収集作業をAIに任せることで、より創造的で本質的なことに時間を使えるようになるという見方もあります。例えば、基礎的な調べものはAIに任せて、その情報をもとにしたアイデア創出や問題解決により多くの時間を割く、といったスタイルが主流になるかもしれません。

まとめ:AIアシスタントと上手に付き合うために

Google検索のAIモードは、確かに私たちの情報収集を劇的に便利にしてくれます。質問すれば直接答えが返ってくる。これは間違いなく素晴らしい技術の進歩です。

でも、便利な道具と同じで、使い方次第では毒にも薬にもなります。大切なのは、AIを万能な存在として過信するのではなく、「とても優秀なアシスタント」として適切な距離感を保って付き合うことです。

AIの答えを出発点として、そこからさらに深く調べたり、別の角度から検証したりする習慣を身につけられれば、これまで以上に豊かで正確な情報生活を送ることができるでしょう。

結局のところ、どんなに技術が進歩しても、最後に判断するのは私たち人間です。AIモードという新しい道具を手に入れた今こそ、改めて「情報との向き合い方」を見直してみてはいかがでしょうか。きっと、これからの情報社会をもっと楽しく、そして賢く生きていけるはずです。

芝先 恵介

芝先 恵介

メンター|生成AIスペシャリスト

外資系業務ソフト会社を経て2002年に起業、代表に就任。2013年に会社を売却し、翌年からスタートアップや大企業の新規事業立ち上げ支援に尽力。大学や公的機関での非常勤講師、DXアドバイザー、中小企業アドバイザーとしても活躍中。現在は、(株)01STARTを設立し、新規事業開発や営業DXのコンサルティング、生成AIに関するセミナーに数多く登壇。

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