2025年、私たちの隣にいるAI|生成型AIとLMMsモデルが切り開く新しい日常

2025年、私たちの隣にいるAI|生成型AIとLMMsモデルが切り開く新しい日常
2025年1月28日

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私たちの身の回りで「AI」という言葉を耳にしない日は、もはやないかもしれません。ふとスマホを開けば、音声アシスタントが「今日の天気は晴れですよ」なんて教えてくれたり、SNSのおすすめ投稿がまるで自分の趣味趣向を完全に把握しているかのようにピンポイントで表示されていたり。そんなAI技術が、2025年にはさらに飛躍を遂げるというのです。今回は、AIの最新トレンドや私たちの生活・社会への影響について、ちょっとカジュアルに語ってみたいと思います。

「生成型AI」や「AIエージェント」がもたらす未来

まず注目されているのが、テキストや画像、さらには音楽などを自動生成する「生成型AI」や、人間の指示を受けて自律的にタスクをこなす「AIエージェント」。専門家によれば、これらの技術が社会全体に与えるインパクトはかなり大きいとのこと。
たとえば、単純なデータ入力やルーティン作業など、これまで人間が行ってきた部分をAIが代替できるようになるため、いわゆる「低スキル職」とされる仕事が影響を受ける可能性があるといわれています。一方で、AI技術を使いこなす新たな職種やビジネスチャンスが生まれることも期待されています。

「怖いなぁ…仕事がなくなるかもしれない…」という不安の声もありますが、実は産業革命の頃から、技術革新に伴う職種の変化はいつの時代もあったもの。失われる仕事もあれば、新たに生まれる仕事もある。大切なのは、その流れに乗り、AIと上手に協働する術を身につけること。AIエージェントは単なる置き換え要員ではなく、人間の補佐役やパートナーとして機能するイメージに近いのではないでしょうか。

科学研究における「LMMs」の力

AI技術はビジネスだけでなく、科学研究の分野でも加速的に進化しています。2025年には、従来よりも大規模かつ複雑なデータを統合的に扱う「Large Multimodal Models(LMMs)」が研究現場で活用される見込みです。
「Large Multimodal」というのは、テキスト・画像・音声など、さまざまな種類のデータを同時に処理できる能力のこと。たとえば、医療分野では画像診断と電子カルテ情報をまとめて解析し、個々の患者に最適化された治療プランを提案する――なんてことも夢物語ではないのです。

また、科学者が膨大なデータの海から新しい法則やパターンを見つける手助けをするのもAIの強み。気候変動を予測し、災害リスクを早期に察知する研究などでも、AIの解析力が重宝されています。こうした「データ×AI」の組み合わせがもたらす新たな知見は、まだまだ未知数。未来のブレイクスルーを考えるとワクワクが止まりません。

※Large Multimodal Models(LMMs)は、テキスト、画像、音声、動画など、複数のデータ形式を同時に処理・理解・生成できる大規模なAIモデル

個人向けサービスがさらに進化する世界

すでに多くの企業が提供している音声アシスタントやスマートホーム製品は、今後ますます「個人に最適化されたサービス」を実現する方向へと進化していくでしょう。AppleのSiriやGoogleアシスタント、SamsungのBixbyなどが、利用者の行動パターンや好みに応じて、より「気が利く」サポートをしてくれるようになるわけです。

たとえば、朝起きたら自動的にカーテンを開け、今日の予定を読み上げてくれたり、冷蔵庫の食材をチェックしてレシピを提案してくれたり。一昔前はSF映画の中だけで見られたような体験が、ごく日常的なものになる可能性があります。
こうした個人化サービスが普及すればするほど、企業にとっては新たなビジネスチャンスが広がるでしょう。利用者が生み出すデータを分析し、最適なタイミングと方法で提案することで、さらに利便性の高い商品やサービスを提供できるからです。もちろん、プライバシーやセキュリティの問題も同時に議論されるべきですが、それをきちんとクリアしながら技術を発展させていくことが、今後の大きなテーマと言えそうです。

AIがもたらす「ちょっと先の未来」

こうしてみると、AI技術は私たちの仕事や研究、そして日常生活を変化させる大きな可能性を秘めています。自動化や効率化が進む一方で、人間ならではの創造性やコミュニケーション能力の重要性が一層増すとも言えるでしょう。たとえば、人に喜ばれるアイデアや心を動かすストーリーを考えるのはまだまだ人間の得意分野。そうした「人間力」とAIの強みが上手く融合すれば、これまでにないイノベーションが起こるかもしれません。

技術の進歩に「ビクビク」するだけではもったいない! 2025年以降、AIとともに社会がどんな姿になっていくのか、ワクワク感をもって眺めてみるのもいいかもしれません。あなたはどんなAIとの共存を描きたいでしょうか? もしかすると近い将来、あなたのすぐそばに“AIエージェント”という頼もしい相棒が控えている――なんて光景が、当たり前になっているかもしれません。

芝先 恵介

芝先 恵介

メンター|生成AIスペシャリスト

外資系業務ソフト会社を経て2002年に起業、代表に就任。2013年に会社を売却し、翌年からスタートアップや大企業の新規事業立ち上げ支援に尽力。大学や公的機関での非常勤講師、DXアドバイザー、中小企業アドバイザーとしても活躍中。現在は、(株)01STARTを設立し、新規事業開発や営業DXのコンサルティング、生成AIに関するセミナーに数多く登壇。

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