ChatGPT王座に黄信号?急成長のGeminiが示すAI新時代の幕開け

ChatGPT王座に黄信号?急成長のGeminiが示すAI新時代の幕開け

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「ねぇ、ChatGPTって知ってる?」なんて会話が日常になってから、もうずいぶん経った気がします。でも実は、AI界の勢力図が静かに、そして確実に変わり始めているんです。

最新の調査結果を見て、正直驚きを隠せませんでした。あの圧倒的な存在感を誇っていたChatGPTの一人勝ち状態に、ついに変化の兆しが見えてきたのです。

数字が物語る「AI戦国時代」の到来

日本リサーチセンターが2025年6月に発表した調査結果は、まさに衝撃的でした。生成AIを使ったことがある人の割合が、2024年6月の15.6%から2025年6月の30.3%へと、たった1年でほぼ2倍に急増。もはやAIは「一部の人が使う特別なもの」から「みんなが使う日常ツール」へと完全に変貌を遂げています。

でも、本当に驚くべきはその中身。確かにChatGPTは依然として20.9%で利用率トップの座を維持していますが、3月からの伸びはなんとわずか0.1ポイント。つまり、ほぼ横ばい状態なんです。

一方で、グーグルの「Gemini」はどうでしょう?3.2%から14.0%へと、なんと1年で4倍以上の急成長!この勢いは正直、予想を超えていました。マイクロソフトの「Copilot」も7.4%で微増を続けており、AI界の「一強多弱」状態が「群雄割拠」へと変わりつつあることを感じさせます。

これって、まるでスマートフォンの歴史を見ているようじゃありませんか?最初はブラックベリーが圧倒的で、次にiPhoneが登場して、そしてAndroidが猛追して…。今のAI業界も、まさにそんな転換期に入っている気がするんです。

若者がAIを当たり前に使う時代

さらに興味深いのが年代別の利用状況。20代の利用率が直近3カ月で33.0%から42.0%に急増って、これもうAIネイティブ世代の誕生と言っても過言じゃないでしょう。

思い返してみれば、私たちの世代がスマホを「便利だなぁ」と思いながら使い始めたのに対し、今の若い人たちにとってAIは「あって当然」のツールになっているんですね。彼らにとって、AIに質問したり、文章を書いてもらったりするのは、私たちがGoogle検索するのと同じくらい自然な行為なのかもしれません。

男女別で見ると、全体的に男性の方が利用率は高いものの、特に女性20代と50代の増加率が12ポイント前後と高いのも注目ポイント。おそらく女性20代は学習や就活でAIを活用し、50代女性は仕事や生活の効率化に使っているのでしょう。AIの民主化が確実に進んでいることがよく分かります。

みんな、AIで何してるの?

では、実際にみんなAIで何をしているのでしょうか?調査結果を見ると、トップは「情報収集、調べもの、検索内容の要約」で55.5%。これ、めちゃくちゃ分かります!長い記事を読むのが面倒な時、「この記事を3行でまとめて」なんてお願いしちゃいますよね。

2位の「アイデア出し」(32.8%)も納得。企画に困った時、「こんなテーマでブログ記事のアイデア10個考えて」なんて使い方、みなさんもしたことあるんじゃないでしょうか?

そして個人的に興味深かったのが、4位の「対話型AIとの会話」(23.6%)。つまり、4人に1人近くがAIと雑談しているということ!これって新しい現象ですよね。友達に相談するほどでもないけど、誰かに聞いてもらいたい時、AIが相談相手になってくれる。なんだか未来的だけど、同時にとても人間らしい使い方だと思いませんか?

Geminiの快進撃、その理由を考える

それにしても、なぜGeminiがこんなに急成長したのでしょう?いくつか理由が考えられます。

まず、Googleの既存サービスとの連携の良さ。Gmail、Googleドキュメント、YouTube…私たちが日常的に使っているサービスにGeminiが組み込まれることで、「わざわざ新しいサイトに行く」という手間が省けました。検索しながら自然にAIを使える環境って、実はすごく大きなアドバンテージなんです。

次に、マルチモーダル機能の充実。文字だけじゃなく、画像や動画も理解できる能力は、日常利用シーンでとても重要。「この写真に写ってるのは何?」「この料理のレシピ教えて」みたいな使い方ができるのは、本当に便利です。

そして、何よりも「無料で高機能」という点。ChatGPTの高度な機能を使うには有料プランが必要ですが、Geminiは多くの機能を無料で提供している。お財布に優しいのは、やっぱり大きな魅力ですよね。

AIの未来は「選択の時代」へ

今回の調査結果が示しているのは、AI業界の成熟化だと思います。「とりあえずChatGPT」の時代から、「自分に合ったAIを選ぶ」時代へのシフトです。

文章作成ならChatGPT、検索ならGemini、仕事の効率化ならCopilot…みたいに、用途に応じて使い分ける人も増えているでしょう。これって実はとても健全な発展で、競争があることで各サービスがより良くなっていくはずです。

また、30.3%という利用率は、まだまだ伸びしろがあることも意味しています。残りの約70%の人たちも、きっと近い将来AIを使うようになるでしょう。その時、どのAIが選ばれるのか?今の競争が激化すればするほど、私たちユーザーにとってはより良いサービスが生まれるはずです。

まとめ:変化を楽しもう

ChatGPTの独走状態に変化が生まれていることは、AI業界全体にとって健全な発展だと思います。競争があることで技術は進歩し、私たちはより良いサービスを享受できるようになります。

Geminiの急成長は確かに驚きましたが、これは始まりに過ぎないかもしれません。これからも新しいAIサービスが登場し、既存のサービスもどんどん進化していくでしょう。

大切なのは、「どのAIが一番か」を決めることではなく、「自分にとって最適なAIは何か」を見つけることです。料理にはそれぞれ適した道具があるように、AIにもそれぞれ得意分野があります。

今はまさにAI戦国時代の幕開け。変化を恐れるのではなく、新しい可能性にワクワクしながら、この技術革新の波を一緒に楽しんでいきましょう!

(参考:日本リサーチセンター「生成AIの利用状況に関する調査」2025年6月)

芝先 恵介

芝先 恵介

メンター|生成AIスペシャリスト

外資系業務ソフト会社を経て2002年に起業、代表に就任。2013年に会社を売却し、翌年からスタートアップや大企業の新規事業立ち上げ支援に尽力。大学や公的機関での非常勤講師、DXアドバイザー、中小企業アドバイザーとしても活躍中。現在は、(株)01STARTを設立し、新規事業開発や営業DXのコンサルティング、生成AIに関するセミナーに数多く登壇。

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